都市計画用途地域の設定をもう少し住民本意にできないものか?
1992年の都市計画法、建築基準法改正に当たり、北関東や山梨県の多くの市町村の用途地域見直し業務を受託実施した経験があります。
日本の都市計画の考え方の基本は、住宅地と工業施設、商業施設が混在すると住環境上思わしくないという観点から混在させずに、それぞれの施設をまとめる(これを整序と呼んだ)ことがいいのであるという思想でした。
これは、住宅地は住宅のみ、工業地帯は工場のみ、商業地域は商店のみ、農業地域は農地のみにするという考え方です。
これは確かに整然として見えるという点では理にかなっているのかもしれません。
しかし、人は、果たして住宅ばっかりの住宅地に住みたいでしょうか?
近くに買い物のできる商店も欲しいし、身近に緑を感じられたほうがいい、などそれぞれ、さまざまな好みがあります。
ところが、現行の用途地域指定は一本の線で、住宅地、工業用地、農地、緑地を区分してしまっています。
人の好みはそれぞれですから、市街地の中に業務機能や商業機能がある、都市としての快適性を望む人用の用途地域、広範囲に田園が広がる中に点在する宅地に住みたい人用の用途地域、宅地の中に樹林地を多く内在する身近に自然と触れ合える用途地域、森林地帯の中に住宅が点在する別荘地のような用途地域など、用途が混在することを楽しみたい人々向けの緩やかな用途地域などを加えることができたなら、日本人の多様な心理を満たすことができるのではないかと考えていますがいかがなものでしょうか?
ご意見をください。